虫とゴリラ/著:養老孟司、山極寿一

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感想

虫の観察から社会を考える養老さんと、ゴリラの観察から社会を考える山極さんの対談。
印象的だった部分をピックアップして、一言、二言感想。

①自然の復元は、単純に緑や生き物が増えれば良いのではなく、きちんと原生生物を考慮して保護していく必要があります。
外来種、国内外来種問題ですね。
善意による環境破壊は、理解出来ていない人が多いところが厄介です。

②コミュニケーションにとって重要な触覚、触れ合うという行為が人間は減ってしまっています。
子供が寝る時、お母さんと触れていたいという行動をよくしています。
たぶん、こういった他者との触れ合いは大人になっても必要なんですけど、見落とされがちですね。
どうしても触って良い他人がいない場合は、動物でもいいから体温を感じられる相手がいると心が落ち着くかもしれません。

③言葉の発明により、人間は知識を蓄積出来るようになりました。
動物が教示行動する対象は、親子くらいですが、人間はその範囲を超えて教えています。
知識共有範囲が、地域、時代を超えていることが、今の人類の繁栄につながっています。

④人間の科学の到達点が、生物の体の原理として既に実装されていることがあります。
車輪や歯車による左右の同期がバッタの足にあるように、さまざまな実験による試行錯誤による理想形としての機構が、自然淘汰の過程で作られたのは面白いです。
精子の動力効率とか、人間が実現出来てなかった気がしますので生物から学ぶことはまだまだ多そうです。

⑤明かりの範囲を絞ることで集中が出来ます。
今は、ひたすら明るく、目に入る情報も多いので気が散ります。
手作業に集中したいのであれば、暗いところで対象だけに明かりが当たるようにした方が良いです。
情報処理もそうですよね。
浴びるほどの情報を人は処理出来ないので、取捨選択をしなければいけません。

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